2008/09/13 本のプレゼント始めます
いやあ、全く困ったものです。早いもので更新もせずに半年以上経過してしまいました・・。
いくらなんでも、これではひどすぎます。そこで今後は内容(あったのか)よりも更新頻度とサービスに
重きを置き、新生スタートといきたいと思い直しました。
それには作業方法を更に単純化して継続できる内容にしなければなりません。
また今更再び同じ雰囲気で続ける度胸もありませんので、これからは私が読んだ本を簡単に紹介し、
それを会員の方や、弊社を通して過去に売買物件をご購入頂いたお得意様で、
且つ希望される方に抽選でプレゼントさせて頂こうとするものです。
1回目は『チャイルド44』(トム・ロブ・スミス(訳/田口俊樹氏)上・下巻)です。
私はミステリーものは殆ど読まないのですが、今月初旬に、朝のTBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ」の
「ブックナビ」で、本の雑誌社の目黒考二さんが、「おそらく今年度ナンバーワン翻訳ミステリーになるのではないか」と
紹介していたものです。なので取り上げてみようと考えました。
正直なところ、人が沢山殺されるので、最初の本は今まで読んだものにしておけば良かったと思いました。
然し作品自体は面白かった。結局上下巻を一気に読んでしまいました。
海外の作家の著したものは、ここのところ暫くは実用書のようなものしか読んでいませんでしたので、
小説形式のものは文法などの違いもあるのでしょう、上巻を読み始めてから50ページ前後は少々違和感があり、
なるほどいわゆる「超訳」というものが存在している理由が分かりました。
ストーリーの緻密さは見事。
展開が早く、短時間に状況認識・意思決定を迫られる場面が連続する。
一方で登場人物の心情の機微は非常にきめ細やかに捉え描かれていて、
なるほど情景描写は心情の描写に他ならないのだと気付かされるとともに、
自分であればどうするだろうか、という判断を強いられ、
自分自身が作中の事件にまるで巻き込まれたかのように徐々に引き込まれていく。
読み進めていくうちに不必要な記述が少ないことに気付き、油断を与えてくれない。
と同時にこの整然とした構成自体が、冷ややかで厳格な、けれどもそれ自体は
意思を持たないこの「集団」の体制が模され、読み手に閉塞感と緊張感を与える
効果的な演出となっている。
自分ならきっとこうするに違いないと考え、それが作中の展開と一致した場合、
或いはそうでなかった場合でも、その後のストーリーを追いつつ、心のなかでは
直ぐに「先の選択は間違いではなかったか?」という自問自答が湧き上がってくるような焦燥感と恐怖感。
この静かに迫りくる恐怖感は、恐らく作中の生死に直結した状況下により発せられるものだけではなく、
自分自身が何を拠り所としてあるのか、何処に立脚しているのかという、
読み手自身の内なる問いにより発せられているものではないだろうかと思いあたる。
それは登場人物の眼を借り行動を通して、私が「考え」たり、「決定」したり、「約束」したりすることを、
私がどこまで守り続けることができるのか、まるで試されているようでもある。
或いは自分自身が登場人物に代わって、無限のストーリーを演じ戯れることを余儀なくされるような錯覚に陥る。
いずれにしても著者は決して読み手の私を分水嶺の尾根伝いに歩かせてはくれなかった。
展開もスピーディーだし、モチーフもいかにも映画向きという感じで、
実際に「リドリー・スコット」監督で映画化される予定のようです。
然し心情の細かな機微を、どのように伝えきれるのか、個人的には小説の方が良かったと
いうことになるのではないかという予想。映画をご覧になるのであれば、先に原作を読んだ方が良いかも。
登場人物を離れて、読み手に直接、長く訴えかけてくる作品だと思いました。
う〜ん、最初は本の裏表紙をそのまま引用させて頂くつもりだったのに・・。これでは効率化が。
然し、著作権などの問題もありそうだし、最初はこのような感じでいきます。
情報館よりこの書籍の上下巻を1名の方にプレゼントさせて頂きます。
勿論、私が読んだものではなく別の新品です(念の為)。
顧客サービスの一環ですので、ご応募は登録会員の方、
または弊社を通して過去に売買物件をご購入頂いたお得意様の限定とさせて頂きます。
ご応募はメールフォームからお願い致します。締め切りは2008年9月27日午前0時までとさせて頂きます。
9月27日正午頃、弊社 I ちゃんが手を洗い浄めた上、厳正且つ粛々とサイコロを振り、ご当選者が決定致しました。
ご当選者は、「ジュエル」様でした。おめでとうございます。9月28日に、ゆうメールにて発送させて頂きました。
|