2008/12/07 季節がら、選んでみました(第11弾) 約束の冬/宮本輝
10年前、当時22歳だった主人公の留美子は、ある日、15・6歳ほどの見知らぬ少年から手紙を受け取る。
「---空を飛ぶ蜘蛛を見たことがありますか? ぼくは見ました。蜘蛛が空を飛んで行くのです。
十年後の誕生日にぼくは二十六歳になります。十二月五日です。
その日の朝、地図に示したところでお待ちしています。
お天気が良ければ、ここでたくさんの小さな蜘蛛が飛び立つのが見られるはずです。
ぼくはそのとき、あなたに結婚を申し込むつもりです。
こんな変な手紙を読んで下さってありがとうございました。須藤俊国---。」
(以上引用)おいおい、という変わった手紙。
然も、新居に引っ越してから3日後のことだった。
この家は50歳になったばかりの留美子の父親が、
自分の「家」についての信条と、趣味や材木にこだわって建てた家だった。
その手紙を受け取った翌日の夜、父親が交通事故で亡くなったという知らせが入る。
急に決まった出張先のドイツでのことだった。
父親はこの家に3日間住んだだけ、留美子と母、そして弟も結局はこの家に12日間暮らしただけで、
色々と考えた結果、この家を売りに出すことになる。
然し中途半端な敷地面積であることや、買い手に何らかの事情などが生じ、
3〜4年経ってもなかなか売れない。
もう売るのを諦めて、やはりあの家でふたりで暮らそうか(その頃、弟は独立している)と話していた頃に、
伯母(1人暮らしの母の姉、母親はここに世話になっていた)が脳梗塞で倒れ、
それから母親はこの伯母の家で、伯母が亡くなるまでの6年間介護を続けることになる。
事故の騒ぎと慌しさから、またそのような事情なども絡み、
この家を空けてから10年間を経て、再び親子がここに住むことになるのだった。
そこで荷を解くと、処分していたと思っていたこの手紙を見つけるのである。
いい本です。お休みにお読みになる本としてどうぞ。
情報館よりこの書籍の上下巻を1名の方にプレゼントさせて頂きます。
勿論、私が読んだものではなく別の新品です(念の為)。
顧客サービスの一環ですので、ご応募は登録会員の方、
または弊社を通して過去に売買物件をご購入頂いたお得意様の限定とさせて頂きます。
ご応募はメールフォームからお願い致します。締め切りは2008年12月22日午前0時までとさせて頂きます。
12月23日、弊社 I ちゃんが手を洗い浄めた上、厳正且つ粛々とサイコロを振り、ご当選者が決定致しました。
ご当選者は、「 チェリー 」様です。おめでとうございます。12月25日に郵送にて発送させて頂きました。
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